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2017.8.11/一般内科

認知症

認知症とは;認知症の主な種類
認知症は、いろいろな原因で脳の神経細胞が機能しなくなり、
生活するうえで支障が出ている状態のことを指します。
認知症にはいくつか種類があります。
下記の1.2.以外にも、初回診断時には3.以下の
疾患の可能性がないかを調べておく必要があります。
特に、8.9.などは一般内科的な治療によって
認知機能が改善する疾患であり、重要です。
また、認知症と鑑別を要する疾患として、
せん妄、健忘性障害、精神遅滞、統合失調症、大うつ病、詐病
などが隠れていないか検索を要します。
(日本神経学会ホームページより)
1.中枢神経変性疾患
アルツハイマー、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症/パーキンソン病
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病等
2.脳血管性認知症
3.脳腫瘍
4.正常圧水頭症
5.頭部外傷
6.神経感染症
7.臓器不全症
8.内分泌機能異常・関連
甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、副腎皮質機能異常、
副甲状腺機能異常、反復性低血糖
9.欠乏性疾患・中毒性疾患
慢性アルコール中毒、一酸化炭素中毒、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏
10.その他

認知症の頻度
アルツハイマー型認知症;50-60%、
脳血管型認知症; 15-20%、
レビー小体型認知症;20%、
その他の認知症;15%という内訳です。

認知症の症状
「脳の細胞が壊れる」ことで起こる症状を「中核症状」といい、
記憶や判断力の障害、実行機能障害、
見当識障害(いつ・どこがわからなくなる)、
失行(服を着るなどの行動ができない)などがあります。
周囲の人との関わりのなかで起きてくる症状を「周辺症状」といい、
BPSD(認知症の行動と心理症状を表わす英語の
「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」)とも称します。
暴言や暴力、興奮、抑うつ、不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、
せん妄、徘徊、弄便、失禁などがあります。

認知症のリスク因子
久山町研究(※)の認知症疫学調査において、
認知症のリスクとして糖尿病、境界型糖尿病、喫煙の影響の強さが
明らかにされました。
糖尿病;アルツハイマー型認知症2.1倍、血管性認知症1.8倍
境界型糖尿病;アルツハイマー型認知症1.6倍、血管性認知症1.4倍
喫煙;アルツハイマー型認知症2.7倍、血管性認知症2.9倍
※久山町研究
福岡県久山町(人口約8,400人)の地域住民を対象に行われている
50年間以上にわたって生活習慣病(脳卒中・虚血性心疾患、悪性腫瘍、
認知症など)を前向きに追跡した疫学調査です。
経時的な調査の受診率はいずれも92%以上と非常に精度が高い
有益な研究であり、多くの事実が明らかになりました。

認知症の治療
残念ながら、現在は認知症の進行を遅らせる薬しか使用できず、
根治する薬は未だ開発途中である現状です。そのため今できることは、
1.に予防することです。認知症になるリスクは明らかにされているので、
生活習慣を整えることが一番です。
そして認知症を有する方に対して、ご本人が穏やかに過ごせ、
同居される家族や施設介護者もまた穏やかに一緒に過ごせる環境を
整えることとなります。

認知症の方との付き合い方
認知症の方との付き合い方につき、
『Career Love これだけは知っておきたい認知症ケアの基本』の
ホームページに非常にわかりやすく、心にしみる言葉で
書かれていましたので、下記引用します。
1.認知症の方と接する際に大事なこと
認知症の方との接するに際して最も大事なのは、相手の尊厳を傷つけず、
自分はここにいていいのだと思わせてあげることです。
認知症の方は、「人として必要とされること」に喜びを見出します。
簡単な頼み事をし、たとえきちんとできてなくても感謝を伝えましょう。
満足感や達成感で心が満たされていくと、治療効果も高まります。

2・認知症の症状別ケア方法;周辺症状の主な症状別と有効なケア方法
徘徊に関して、
徘徊には必ず理由があります。何故その場所に行きたいのかを尋ね、
昼間なら一緒に出かけ、夜中であれば、「明日の朝一緒に行きましょう」と
共感を伝えます。物盗られ妄想に対しては否定せず、
共感して一緒に探してあげ、見つけたらその場から動かさず、
本人が見つけられるよう誘導しましょう。
幻覚に関して、
「虫が壁を這っている」⇒追い払うので別室で待っていて、
と環境を変えて忘れさせてあげます。
「子どもが走り回っている」⇒一緒に誰もいないことを確認すると
安心してくれます。

3.「5大原則」から読み解く認知症ケアのポイント;
認知症介護をする上で守るべき環境づくり
(1) これまでの生活環境や習慣、人間関係を変えない
(2) 個人的な思い出に浸れる生活空間を作る
(3) より基本的な介護を大切にする
(4) 達成感と満足感が得られる役割を与える
(5) 人づきあいを途切れさせない

4.これ以上どう接していいかわからないと思ったときは……
人を頼りましょう。認知症者にとって家族には誰よりも
心を許している相手だからこそ、介護されている後ろめたさが
「家族への攻撃」として行動に出てしまうのです。
認知症の方は「子供から頼られていた親としての自分」と
「親に甘えていた子供の頃の自分」に戻りたがります。
しかしそのどちらも、大人になった自分の子供には求められない、
求めてはいけないと感じるのでしょう。
また認知症のケアに「受容」と「共感」は大切ですが、
長く続けるためには「相性」も重要です。
あなたといるより笑顔が多いと感じる方がいるなら、その方に
お任せすることも、症状の進行を抑える手段の一つといえます。
(『Career Love これだけは知っておきたい認知症ケアの基本』より引用)

 

★★私の実家の家族や入院中の祖母は、持病を持ちつつも
お陰様でみんな元気で生活しています。
入院中の祖母が認知症を有しますが、家族は医療・介護の
経験が少なく、祖母との接し方など慣れていない面もあります。
施設でも在宅でも、認知症者が人としての尊厳を損なわれず
健やかに過ごすことができ、かつ介護者も無理なく笑顔で接することの
できる環境にしていきたいと感じる今日この頃です★★

金澤なかでクリニック
内科認定医・糖尿病専門医・内分泌専門医 院長 齋藤麗奈